なぜ、卒業しないのかーー? 大歳倫弘、小沢道成、同い年の鬼才がタッグを組んだ『しばしとてこそ』開幕!

 

それは、高校の〈卒業〉を自由に決められるという、未来。
ある理由から、卒業のタイミングを自由に選べるN学年へと進級することを選んだ、ダイチ(阿久津仁愛)、ミツル(押田 岳)、タクロウ(坪倉康晴)の三人。
年齢不詳の生徒から30代、40代、50代……最年長は60代と幅広い同級生たちは、いずれも、それぞれの理由から卒業を伸ばしている曲者ぞろい。
なんとか卒業してほしい若い教師と丁丁発止を繰り広げているーー頑なに社会に出ることを拒む彼らとの日々、果たして彼らは卒業を選ぶのか?

新国立劇場の小劇場ならではの、360度、役者のすべてがさらされてしまう、中央の舞台では今日も授業が繰り広げられている。
その内容は、自由だ。
その自由さは実にさまざま。
静謐な灯りのなか進んでいく会話劇は、ときにすれ違い、きしみ、すれちがいや個人の執着や歪み、身勝手さ、みたいなものを浮き彫りにしていく。
「卒業しない」ことを選択し続けている彼らの在りように、どこか自分を重ねる者もいるのではないだろうか。

ドラマ・映画の脚本やラジオの構成など、作家としてメディアでも多方面に活躍、舞台でも“ヨーロッパ企画 イエティ”名義や外部プロデュース公演での脚本・演出を手がける大歳倫弘。第 31 回(2023 年度)読売演劇大賞 3 部門受賞に輝き、一人芝居をはじめ独自の視点で作品世界を創り続ける気鋭の脚本・演出家の小沢道成。同い年の二人が織りなす演劇に挑むのは9人の役者たち。彼らの紡ぐ空間や如何に?

平安の終わりから鎌倉時代の初期の歌人、西行の短歌に由来しているという『しばしとてこそ』というタイトル。その意味は「少しの間だけ、と思っていたのになあ・・・」だとか。観終わったあとに、その意味を噛みしめるだろう。

初日を迎え、コメント到着!

⼤歳倫弘さん(ヨーロッパ企画)/作
学生時代、友人から「卒業を意識し始めたときに、時間は形を変える」と教えてもらいました。その言葉は当時、学生たちの心を鷲掴みにしていた詩人、326さんの詩のほぼ丸パクリだった、と後ほど判明しますが、聞いたときには「おおっ!」と思ったのでした。舞台のリハーサルを見ていると、そんな細かい学生時代の思い出が次から次へと思い出されていきます。見ると眠っていた学生時代の思い出がどんどんと浮かび上がってくるような舞台になればいいね!と小沢さんと話していたので「うわ、本当にそうなってる!」と驚いています。しかも、それは一度だけじゃなく、見るたびにまた別の思い出が浮かんでくるのですから、本当にどうなっているのでしょうか。
ともかく役者さん達と、小沢さんの試行錯誤と積み重ねに感謝しかありません!面白いです。ぜひ、みなさんもご覧いただき、眠っていた思い出と向き合ってください!

⼩沢道成さん/演出・美術
この作品は、卒業するタイミングは自由に自分で決めることができるという世界軸を元に大歳さんが書いてくださいまして、それを全員で稽古をしてきて、実に愉快な楽しいお芝居になりました。
今回の舞台美術は、対面舞台になっております。どこから観るも自由です。
2回観てもらうもよし、バルコニー席から観てもらうもよし、様々な楽しみ方ができると思っております。
僕は、人間のもつエネルギーというものを常に大事にしていて、9人の役者さんたちが見事に面白く愉快に、真面目に、すごく心を震わせてやっていただいているので、稽古場としてもとても楽しかったです。
そして、大歳さんが書いたこの世界をスタッフチームの方がさらにさらに広げてくださいまして、やっと劇場に誕生しました。後はお客様が来ていただけるのみとなっております。
ぜひ、お時間がある方はお越しくださいませ。

阿久津仁愛さん
ついに初日を迎えますね!稽古期間があっという間に過ぎ去っていったような感覚です。楽しみながらもたくさん悩み、迷い、全力で向き合ってきました。劇場の雰囲気もとても素敵で、小道具や照明、音楽も魅力的なので、ワクワクしています!皆さんにこの作品をお届けできることが、本当に楽しみです。2面のステージは、見る場所によって違った印象になると思うので、そこも楽しみながらご覧いただけたら嬉しいです!

押田 岳さん
いよいよ公演が始まります。ここまで、スタッフキャスト一同愛情を持ってこの作品を育ててきました。皆様とこの作品を通して、時間を共有できることが楽しみです。ぜひぜひ楽しんでください。

坪倉康晴さん
稽古の時からまるで本当の学生かのように全員で楽しみながら作品を創ってきました。平場のストレート舞台で芝居中はほぼ音楽もありません。役者の持てる力を全て発揮します!リアリティー溢れる作品となっていますので、きっと物語の中で共感できる人物やシーンがあると思います。4面にまっさらな舞台上だからこその楽しさを味わいながら、この演劇をタクロウとして千秋楽まで誠心誠意演じていきます!最後まで宜しくお願いします!

⼩島梨里杏
ようやく私たちの愉快で奇妙な学校生活が始まります。時間は有限です。そんな中でも、ここにいることを選択している彼女彼らは、何を考え、何に揺られて、何を掴もうとしているのでしょうか。本当の意味で笑える決断を、わたしもとっていきたい、時には大胆に、と感じています。 足を運んでくださる皆さまには、感謝しかありません。皆さまの大事な一歩を少しでもお手伝いできるよう、しかとチヒロを務めてまいります!

富山えり子さん
“しばしとてこそ組”のスタッフ、キャストの皆さんと”クラスメイト”になれたこと、そして初日を迎えられることをとても嬉しく思います。学 校に通うように毎日稽古場に通い、お稽古に励んできました。これから劇場でお客さまが、クラスメイトなのか、保護者なのか、はた また観察者なのか、私たちや物語とどのような関わり方をしてくださるのかとても楽しみです。

中川晴樹さん
1月14日から始まった稽古の日々。30年近く演劇をやってきましたが、「しばしとてこそ」の作品作りは、初心を思い出したり、新た な体験をしたりと、自分にとって、かけがえない時間となりました。皆様に観て頂ける事を嬉しく思います。

安西慎太郎さん
まずは誰一人欠けることなく無事に開幕できる事が嬉しいです。この1カ月、演出の小沢道成さんの元、カンパニー全員で作品と 役について懸命に考えてきました。今作はコメディではありますが非常に細かい感情が流れていてそれが連鎖しまくります。何だか 分からないけど心が動きます。何だか笑えるし、何だか笑っちゃいけない気持ちにもなったりします。何だか懐かしい気持ちにもなる し、何だか不思議な気持ちにもなるし、でもやっぱり笑えたりもします。超自然体で油断しながら劇場へお越し下さい。「何だか分 からない、何か」が貴方に寄り添ってくれると思います。劇場でお待ちしています。

池津祥子さん
ここは様々な年代の高校生が決断のための準備期間を過ごすクラスです。私が演じるのはクラスメイトのお世話をせずにはいられ ない「セワ」さん。たくさんの荷物を持ち、情報を集め、走り回る生徒役です。日々若返るような気分で稽古を重ねました。いよいよ 開幕です。皆様に甘苦い青春のひとときをお届けできれば嬉しいです。劇場でお待ちしております。

大鷹明良さん
通し稽古を重ね、ブラッシュアップしてきたこの作品も、稽古終盤となりました。この時期、いつも悩ましいのは、まだまだ、足し算 するか、そろそろ、引き算した方がいいのか、です。未知の相手役である「お客様」を迎えるまでが、稽古という名の準備。まぁ、 結局、答えもないので、最後の最後まで、ジタバタするんでしょうね。いつものように。てな感じで、お客様に、楽しんでいただけ る様、キャスト、スタッフ、一丸となって励んでおります。皆様の、ご来場、お待ちしております。

MMJプロデュース公演『しばしとてこそ』

【公演⽇程】2025年2月21⽇(金)~3月2⽇(⽇)
【会場】新国立劇場 ⼩劇場
【作】 ⼤歳倫弘(ヨーロッパ企画)
【演出・美術】 ⼩沢道成
【出演】阿久津仁愛 押田 岳 坪倉康晴 ⼩島梨里杏 富山えり子 中川晴樹/安西慎太郎 池津祥子 ⼤鷹明良
【公式HP】https://mmj-pro.co.jp/shibashitotekoso/
【公式X】@shibashitote
【企画製作】株式会社メディアミックス・ジャパン(MMJ)
配役
ダイチ  阿久津仁愛
ミツル  押田 岳
タクロウ 坪倉康晴
チヒロ  小島梨里杏
ユメ   富山えり子
ワタナベ 中川晴樹
スズキ  安西慎太郎
セワ   池津祥子
アサオカ 大鷹明良

著: | カテゴリー:レポート

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