メサイア―鋼ノ章― ゲネプロレポート /高橋美里

過去を越えて、未来へ繋がる一歩

 

 開演を告げる鐘の音に思わず背筋が伸びる。
 劇場全体が緊張感で張りつめる中、ゲネプロが行われた。

 

最善席 メサイア

 

 『メサイア』シリーズの舞台となるのは、世界各国が軍事協定を結び、表面上は戦争が無くなったとされる近未来の日本。しかし現在もなお水面下では情報戦――スパイによる諜報戦――が繰り広げられていた。日本では「サクラ」と呼ばれるスパイを養成するための施設、チャーチが設立される。家族や友人を失い戸籍も抹消された「サクラ」候補生たちは、様々な任務を乗り越え、卒業していく。彼らの存在は国家機密とされ、任務に失敗すれば見捨てられ、ただサクラのように散る運命だが、唯一候補生同士で決められたパートナーとだけ助け合い、繋がることを許される。そのパートナーを「メサイア」と呼ぶ。

 前作『翡翠ノ章』にて二名の候補生がチャーチを卒業し「サクラ」として世界へ飛び立っていった。今回の物語は「サクラ」候補生4人、白崎護(赤澤燈)悠里淮斗(廣瀬大介)間宮星廉(染谷俊之)有賀涼(井澤勇貴)を中心に描かれる。

 

最善席 メサイア

最善席 メサイア

最善席 メサイア

 間宮は自分の「メサイア」である有賀のことを少しでも知りたいと考えるが、彼との距離は縮まるどころか、機能(システム)としての「メサイア」であればいいといわれてしまう。そんな中、「サクラ」候補生たちにあるミッションが下される。窪寺(山川ありそ)という科学者の抹殺だ。

 一方で公安四係の高野優太(宮﨑秋人)と三栖公俊(中村龍介)も窪寺を捕えるために動いていた。彼はテロリストたちに科学技術の提供を行おうとしていたのだ。「サクラ」と公安にとって新たな脅威――クアンタムキャット――が立ちはだかる。

 

最善席 メサイア

最善席 メサイア

  三栖と離れ単独行動を始めた周康哉(玉城裕規)、公安に拘束されている堤嶺二(平野良)、そして突然チャーチに現れた少年・加々美いつき(杉江大志)。彼らの様々な運命が交錯し、テロ計画は結末へ向かって加速する。テロリストたちの狙いは何か、そして彼らは何を知ることになるのか……

 

 上演時間1時間50分はあっという間だった。
 「メサイア」シリーズの代名詞ともいえる躍動感あふれるアクションは会場の特色をいかした演出もあり、より一層見ごたえが増している。いつものことながら、アクションシーンは見どころが多すぎて目が幾つあっても足りない。オペラグラスを構える一瞬すら惜しいくらいのキレのある動きに息を呑むばかりだ。

  今作では、「サクラ」候補生や公安で生きる青年たちが全力でもがき苦しみながら未来を掴もうとする。ある者は「メサイア」の意義を、ある者は「正義」の意味を、ある者は自らの役割を、そしてある者は自らの望みを。

『メサイア―鋼ノ章―』は、離れていても鋼のように強く繋がっている絆がある、と信じ、願った男たちの物語だ。その思いはセリフや芝居に乗り、熱となって客席に届く。劇場に溢れるその熱量はけっして忘れられないものになるだろう。観れば観るほど観たくなる作品だ。

  チケットは完売しているが当日券は毎日販売しているので、ツイッター(@clie_seisakuまたは#メサイア)などでチェックを。

 

現在上演中〜9月21日(月・祝)まで。 ゲネプロ観劇  高橋美里

最善席 メサイア

最善席 メサイア

 

公式サイト http://www.clie.asia/messiah/hagane/

  •  東京公演 2015 年 9 月 2 日(水)〜 13 日(日) シアターGロッソ
  •  神戸公演 2015 年 9 月 19 日(土)〜 21 日(月・祝) 新神戸オリエンタル劇場

9月9日(水)14時・19時各公演の有料放送がニコニコ動画にて配信中。
→ ネットチケット購入はこちらから

また、東京・神戸の千秋楽公演のルッキュ配信も決定している。彼らの息遣いを最後まで楽しんでほしい。
→ ルッキュチケット購入はこちらから

 

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