ミュージカル刀剣乱舞制作会見レポート/高橋美里

刀剣乱舞/最善席

絢爛豪華な桜の杜で───ミュージカル刀剣乱舞制作会見レポート

 

刀剣乱舞ミュージカル/最善席

3/30、桜がほころび始めた晴天の午後、ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~製作会見が行なわれた。今秋に新作公演が上演されることも発表され、出演キャスト11人が一堂に会した。

 

「刀剣乱舞―ONLINE―」はDMMゲームズとニトロプラスが共同制作したPCブラウザゲーム。

 名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”を収集・育成・強化し、歴史改変をもくろむ敵を討伐していく刀剣育成シミュレーションゲームである。2015年1月のサービス開始から半年を待たずして登録者数が100万人を突破するなど大ヒットを記録しており、3月26日のアニメジャパンにて2本のアニメ化(『刀剣乱舞-花丸-』『刀剣乱舞(仮)』)が発表されるなどメディア展開でも盛り上がりを見せている。

 そのゲームを原案としたミュージカル『刀剣乱舞』は、2015年10月にトライアル公演を上演、1部では刀剣男士が激しく戦い、歌い、優雅に舞うミュージカル、2部ではオリジナルの衣装を纏った刀剣男士が、華麗なライブパフォーマンスを繰り広げるという斬新な2部構成で話題となり大盛況のうちに幕を下ろした。

 

 そして5月27日より本公演となるミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~が幕を開ける。

  製作会見は、トライアル公演でOPを飾った曲『刀剣乱舞』が流れ、まずはミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~に出演する刀剣男士の登場からスタートした。

 

mikazukimunechika/saizenseki

平安時代の刀工三条宗近作の太刀。天下五剣の一つでその中で最も美しいと評される、三日月宗近(黒羽麻璃央)

 

kogitsunemaru/saizenseki

平安時代、能の「小鍛冶」に登場し、稲荷神社の援助によって作られたと伝わる、小狐丸(北園 涼)

 

ishikirimaru/saizenseki

石切剣箭神社の御神刀として祀られている大太刀。この刀剣自体が御神体であり神社暮らしが長かったため。外の世界には少々疎い、石切丸(崎山つばさ)

 

iwatooshi/saizenseki

武蔵坊弁慶がふるっていたとされる薙刀。巨大さにおいては他を圧する。性格は豪放磊落(らいらく)な岩融(佐伯大地)

 

5imanotsurugi/saizenseki

源義経の守り刀であり自刃した短刀として有名だが、実物は不明。生意気な鞍馬の小天狗こと、今剣(大平峻也)

 

kashuukiyomitsu/saizenseki

新撰組沖田総司が使用していたとされる打刀。貧しい環境で生まれたせいか、綺麗にしていれば主に可愛がってもらえると思っている、愛らしい加州清光(佐藤流司)

 

 司会から紹介され、刀剣男士たちがステージに登場する。最初に紹介された三日月宗近は颯爽と美しく、中央で剣を振り、石切丸はゆっくりとまるで神事であるかのように神妙に、今剣は一番軽やかに元気よく飛び出してきた。それぞれひとつひとつの動作にキャラクター達の個性がにじみ出ていた。すでにトライアル公演を経ている彼ら6人が、ステージに揃った姿はとても頼もしくみえた。

 

 次に、今年秋の公演に登場する新たな刀剣男士たちが紹介された。会場内のBGMが替わり、なんと本邦初お披露目、しかも衣装での登場!

 

yamatonokamiyasusada/saizenseki

新撰組の沖田総司が使用していたとされる打刀。加州清光と同じく、扱いが難しく使い手を選ぶという、大和守安定(鳥越裕貴)

 

izuminokamikanesada/saizenseki

新撰組副長、土方歳三が愛用したとされる大振りの刀。美と実力の両方をテーマとして生きている、和泉守兼定(有澤樟太郎)

 

horikawakunihiro/saizenseki

新撰組副長、土方歳三が愛用したとされる刀。和泉守兼定の相棒であり、助手でもある、堀川国広(小越勇輝)

 

hochisukakotetsu/saizenseki

江戸時代に活躍した刀工、虎徹作の打刀。贋作が多いことで有名な虎徹の真作。その風格も美しさも申し分ない、蜂須賀虎徹(高橋健介)

 

nagasonekotetsu/saizenseki

同じく刀工、虎徹の贋作と言われている打刀。元持ち主の新撰組局長、近藤勇が激しい戦いを経ても折れも曲がりもしなかったと伝えていることから、剛刀であることは間違いない、長曽祢虎徹(伊万里 有)

 

 衣装に身を包んだ新しい刀剣男子たちが刀を携えステージに現れると、初公開のショットを収めようとするカメラのシャッター音が途切れることなく続いた。新撰組の切り込み隊長であった沖田総司の刀らしくステージに勢いよく登場した大和守安定、和泉守兼定の後に登場した堀川国広は、先を行く和泉守兼定を追いかけるように小走りになる姿もあり、まさに新たな刀剣男士がそこに降臨していた。

 また、新作公演には加州清光役の佐藤流司が続投することも発表された(その際、佐藤が、まるで加州清光そのままに、「俺!」、「俺!」と自分を指さし、アピールしていたのが愛らしく)。
 続いて演出家の茅野イサム氏、原作ゲームプロデューサーの小坂崇氣氏が登壇し会見がスタートした。

 

kayano/saizenseki

kosaka/saizenseki

──まずはミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~出演者のみなさんにお聞きします。ご自身が演じる役どころと見どころを教えてください。

黒羽:僕が演じさせていただく三日月という刀は天下五剣の中で最も美しいといわれる刀なので所作や姿を綺麗にすることはもちろん、衣装にもすごいこだわっていただいているので、そういった面を舞台上で出していきたいです。一方で、自分のことを「じじい」と呼んでしまう部分など、その両者のバランス感を全面に出していきたいです。

北園:小狐丸という役は、平安時代に打たれた刀ということで、容姿の優雅さや姿勢などに気をつけています。この刀は、狐が相槌を打ったという話もあり、野性味をおびた、容姿とはギャップのあるところを出していきたいです。

崎山:石切丸は戦よりも神事が得意なのですが、やはり闘わなければならないことがあり、そのときの石切丸の大太刀を使った殺陣が見どころかと思います。

佐伯:岩融は観てのとおり大きさと豪快さを持ち合わせています。期待の大型新人として任務に参加する彼の葛藤や悲しみを表現していきたいと思います。

大平:義経公の守り刀で、みんなに「遊びましょう」、「鬼ごっこをしましょう」というような天真爛漫な男の子です。このメンバーの中では唯一の短刀なので誰よりも動き回っていこうと思います。

佐藤:加州清光という役は、一言では伝えきれないほど繊細な魅力がたくさんつまったキャラクターでして、大胆だったり、でもちょっとぶっきらぼうだったり、熱いところがあったりクールだったり、子供っぽいところがあったり、とそれを佐藤流司という人間がどう演じていくのか、ということや三条派という時代背景の違う刀たちの中に一人で入れられた加州清光の苦悩などをほほえましく観ていただければと思います。

 ──新作公演に出演する皆さんへお聞きします。本日刀剣男子として登場した気持ちはいかがですか。

鳥越:自分自身この姿に慣れていないのですが、秋までに大和守安定という役をものにできるように精一杯、努力したいと思います。

有澤:今日この場に立って、すごく期待されている作品だということを実感しました。11人の刀剣男子を自分の目でみて華やかだなと、この華やかさに負けない誰よりも男らしくなるつもりで頑張りますのでよろしくお願いします。

小越:この格好になって初めて皆さんの前に立って、いよいよはじまるな、という気がしています。素敵な公演になるよう頑張ります。よろしくお願いします。

高橋:なんともいえない降臨感……(自身の衣装をしげしげとながめて)いや、この降臨感に負けないように頑張りたいと思います。皆さん是非期待してください。

伊万里:注目されている作品に出演できる喜びと嬉しさ、プレッシャーなどいろいろな気持ちが交差していますが、素敵なキャスト、スタッフのみなさん、演出の茅野さんと一緒に仕事が出来る喜びが大きいです。プレッシャーに負けないように自分に課せられた任務をしっかり遂行できるよう頑張りたいと思います。

──小坂さんにお聞きします。本公演への期待はいかがでしょうか。

小坂:素晴らしいキャスト達の活躍にもちろん期待しています。みなさん『刀剣乱舞』は日本刀が戦士の姿になったものを描いているということは御承知かと思うのですが、そもそも日本刀というものは、刀工さんの魂が込められ、銘という形で名前が刻まれ、一本一本に名前があり、そして歴史の証人としての側面もあるんです。名だたる武将たちから受け継がれて今も残っているというすごいロマンがあって。そこに僕は感動して『刀剣乱舞』プロジェクトが始動しました。これをきっかけに日本刀の文化にもっと触れてほしいし、その広がりのためにいろいろとメディアミックスしていきたいと思います。

──茅野さんにおききします。トライアル公演よりパワーアップしているという本公演についておしえてください。

茅野:ミュージカル『刀剣乱舞』は演劇の可能性に挑戦しています。演劇にできることは何でもやってみようと。そういう意味では出演するみなさんには大変な公演だろうと演出しながら思っています。ミュージカルですから歌ったり踊ったりはもちろん、このいで立ちで本格的な立ち回りをしなければならない。ミュージカルと言っていますが基本はストレートプレイです。台詞劇を作ってからミュージカルの歌を作っていく、というやり方をしているので台詞もミュージカルと違って緻密であったり感情の機微を表現しているので演技も大変だろうと思います。2部ではアイドルさながらにライブをやるので、彼らはなんでもやらなくてはならない。
 トライアル公演は充分な稽古期間を取りましたが、それでもまだまだやり足りないです。トライアル公演でお客様から教えてもらったこと、気がついたことを盛り込んでいきながら、具体的にはもうちょっと歌で表現した方がいいなと思ったところがいくつかあったのでミュージカルシーンを増やします。2部のライブでは新曲を何曲か用意していますので前回と違ったステージングになると思います。当然、立ち回りや振り付けも改良し、更にすてきな作品になるようカンパニー一堂がんばっていきたいと思います。

──今秋上演の新作について、現時点で教えていただけることはありますか。

茅野:2部のライブシーンはあります。彼ら(阿津賀志山異聞のキャスト)とは違う世界観でお見せしたいと今いろいろ考えています。
 内容につきましてはお話しできませんが、メンツを観ていただければこんな感じかな、とわかっていただけるかと……しかしこの中で異色の存在がいると思いますが(蜂須賀虎徹役 高橋健介をみながら)、彼がどのように絡んでくるのか楽しみにしていただけたらと思います。

──加州清光さんに伺います、トライアル公演では三条派の中でかなり戸惑ってらっしゃいましたが、秋の公演では馴染み深い新撰組の皆さんと共演されますが期待することなどありますか。

佐藤:秋の公演に関しては役づくりをがらっと変えていかないといけないな、と思っています。三条派といる時よりは、新選組の仲間が多いのでウキウキしていると思いますし……。でも秋のキャスト達とも、ついこの間会ったばかりなので、今は三条派とのほうが仲が良いくらいなので、加州清光としては矛盾が起きてるんですが(笑)しっかり秋までにいい関係を作っていけたらと思いますし、ずっと永遠に隊長でいられたらと思います。

──阿津賀志山異聞出演のキャストの皆さんへ。衣装や刀について気に入っているところを教えてください。

黒羽:袖の三日月マークですね、立ち回りでもなるべくここを見せようと思っています。

北園:髪が長いキャラクターなので、立ち回りやダンスの時に動きが出るところが気に入っています。

崎山:烏帽子と長い大太刀ですね。立ち回りで当たってしまうので気をつけているんですが、綺麗に見えるところでもあるので、本公演でも生かしていきたいと思います。

佐伯:フードですね。被っているので芝居の視野が狭くなるかなと思っていたんですが、逆にしっかり立ってないと見えなくなってしまうので堂々とするということの助けになりました。

大平:髪が長くて、この輪っかになっているところが引っかかったりしてしまうのを気をつけながら、綺麗に動かすようにしています。刀が小さいので、袖の部分を使って人より大きく見えるように動いています。

佐藤:トライアル公演では和服の中に一人だけ洋服の方がいらっしゃったわけで、ストールは気をつけないと腕を2・3周して刀を持っていってしまうという珍事が起きたりするので気をつけながら立ち回りをしています。ライブでは、この子(髪の毛をさわりながら)がたくさん動く時に、綺麗に見えるようになるので動くものを活かせるようになっているところが衣装では好きです。

──この秋の新作に出演するキャストの皆さんへ。トライアル公演を観て、2部のライブパートをどのように感じてらっしゃいますか。

鳥越:体力的にきついな、と思いました。ライブでは僕が出た時には会場のペンライトを僕の色に染めてやりたいなと思います。

有澤:ライブはすごく印象的で特にダンスがすごいと思いました。ミュージカルは初めてなので、しっかり叩かれて、叩かれて、しごかれて、ダンス、歌を身につけたいと思います。

小越:舞台を観る時、自分だったらどうやるだろうと考えながら観ているのですが、昨年のトライアル公演を観た時、まず1部で自分がやるならこうするのかな、とか、さらにパワーアップしたいと思っていたんですが、2部でライブのパフォーマンスは、なかなかないな、と感じました。なので、自分がやるときは、自分も盛り上がりながら、お客さんも最高に盛り上がれるような芝居とライブの融合を見せられたらと思います。

高橋:運動量も多いので、まず自分の可動域(ここで、思わぬ単語に、会場から感嘆の声が)を知るところから始めたいと思います。人に迷惑をかけないように立ち回りをしたいです。

伊万里:まず1部の芝居が終わってライブの公演ですが、体力面が心配です。この中で一番年長なんですが日頃ジムで鍛えて身体をつくってきたのでみんなに負けないように頑張りたいと思います。

 終始和やかに会見は進み、新作公演のキャストたちからはライブパートへの質問の際、蜂須賀虎徹役の高橋健介が「ペンライトの件、2部のライブでは逆に僕が出た時、一本でも僕の色があったらそれでいいと思います」と話したところ、大和守安定役の鳥越裕貴が「ぼくの発言を踏み台にするのやめてくれる!?」とツッコミ。すかさず松田プロデューサーから「鳥越くん、新人感が全然ないので、新人感出してくれる?!」と会場内を沸かせる一幕も。

フォトセッションでは、質疑応答から飛び出したリクエストに応えて、石切丸がセンターに立ち、全キャストによるヒット祈願が行なわれた。

 

saizenseki160330

 

 ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~は5/27からAiiA 2.5Theater Tokyoにて。その後大阪・京都で上演される。また、今秋上演予定のミュージカル『刀剣乱舞』新作公演(タイトル未定)は9月から11月の間で東京・福岡・大阪での公演を予定している。

 7月には刀剣男士team三条with加州清光による新曲『キミの詩』の発売もあり、今後もミュージカル『刀剣乱舞』の展開からますます目が離せない。

ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~ 公式サイト

https://musical-toukenranbu.jp/

atsukashiyama_main

mikadukimunechika

kogitsunemaru

03_ishikirimaru

04_iwatooshi

05_imanotsurugi

06_kashukiyomitsu

shinsaku_mv/saizenseki

(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

ミュージカル『刀剣乱舞』関連記事

  ミュージカル『刀剣乱舞』 トライアル公演レポ&レビュー/おーちようこ 紅玉いづき

 

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+

PAGE TOP