ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』ゲネプロレポ&キャストコメント/高橋美里

役者の力と映像の力、その融合が生み出す“ライブ”の力──ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』ゲネプロレポ

 

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 真島ヒロ原作による舞台、ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』が4月30日よりサンシャイン劇場にて開幕。初日公演前に行なわれたゲネプロレポをお届け。
 物語は炎を操る滅竜魔導士・ナツ(宮崎秋人)の所属するギルド「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」のマスター・ナカロフより『闇ギルドの最大勢力「六魔将軍(オラシオンセンス)」を討て』という指令が告げられるシーンから始まる。
 強大すぎる敵の討伐のため4つのギルド「妖精の尻尾」からナツ・エルザ(佃井皆美)・グレイ(白又 敦)ルーシー(愛加あゆ)、「青い天馬(ブルーペガサス)」より一夜(富岡晃一郎)、ヒビキ(小野健斗)「蛇姫の鱗(ラミアスケイル)」からジュラ(熊野利哉)、リオン(小澤 廉)、そして「化猫の宿(キャットシェルター)」のウェンディ(桃瀬美咲)による連合が組まれた。
 それぞれのギルドから派遣された魔導士(ドラゴンスレイヤー)は、「六魔将軍」が探し求める封印された破滅魔法“超反転魔法ニルヴァーナ”を巡りかつての仲間・ジェラール(荒木宏文)と出会う────

 そこには魔導士がいて、魔法があった。

 まさに「ライブ・ファンタジー」の名にふさわしい作品だった。最新の技術を駆使しあらゆる魔法を舞台の上に出現させるが、それを表現するのは役者たち。躍動する身体、ぶつかり合う剣、拳……それは舞台の上で起きている現実であり、人と技術が融合することで生まれる無限の可能性。その夢のような世界に浸れる90分だ。

 中でも舞台中を暴れ回ったナツのアクションと炎の演出は、思わず声がもれるほどだった。対コブラ(山本一慶)戦では毒蛇・キュベリオスとナツの火の滅竜魔法が映像効果によって舞台全体に表現され、2人のアクションをより一層迫力のある戦闘シーンにしている。もちろん、魔導士たちそれぞれに魔法や能力の見せ場があり、ヒビキ(小野健斗)が古文書(アーカイブ)を駆使してルーシィ(愛加あゆ)に超魔法ウラノ・メトリアの知識を与えるシーンは、まさに頭の中に流れ込んでくる様が目の前に浮かび上がる。愛加あゆの高らかに響く歌声も印象的だ。

 一方で「六魔将軍」は光の魔導士たちと次々対峙していく。ブレイン/ゼロ(郷本直也)はナツとのラストバトルは息を呑む瞬間ばかりだ。

 そして今回上演される「ニルヴァーナ編」は「六魔将軍」討伐の物語でもあるが、ジェラールとエルザが再会する物語でもある。過去の事件により2人の間に深い溝ができ離れ離れになるも、再会を果たした2人の心がどのように動き、かわっていくのか……その心の深いところに迫る、細やかな演技は必見だ。幕が下りた時、2人のこれからを思わずにはいられず涙が止まらなかった。初日の公演では会場からすすり泣きがあちこちから聞こえてきた。

 フィナーレで全員で歌う曲がある。
 ナツは歌う「傷つくことを恐れるな 目をそむけるな 必ずまた巡りあえるから」
 ジェラールとエルザは歌う「大切なのは信じる勇気 闇の中から光あふれ 二人は闇を照らし出す」、と。

 未来へ希望が残るエンディングは、全員の笑顔で幕を降ろす。初日の公演後、拍手が鳴りやむことはなく、客席がこの物語を全力で楽しんだ、喜んで迎えたのだ、とその拍手が証明したように思えた。その途中で宮崎が「喋りますよー」と宣言して気持ちの高ぶりのまま初日の喜びを語ったが、その顔に浮かぶ笑顔は、まさに翌日への力となる満足の表情だった。この笑顔の魔法を、舞台の熱を、会場との一体感を体感してほしい。

 取材・文/高橋美里

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初日終了後、キャスト陣から以下のコメントが届いた。

ナツ・ドラグニル役 宮崎秋人

──初日を直前にしたお気持ちはいかがですか?

今年入ってすぐにビジュアル撮影で、それから約1カ月程の稽古を経て、「いよいよだな」と感慨深い気持ちでいっぱいです。肉体面含め、大変な事は沢山ありましたがエネルギッシュでスピード感のある作品に仕上がっているのではないかな、と思っています。はやく皆様にナツ達が暴れまわっている世界を観て頂きたいですね。

──実際に演じられて、いかがでしたか?

児玉さんの演出は、頭の中にファンタジーができあがっているからなのか、いい意味で「ポン!」と簡単に難易度の高いオーダーが飛んでくる時が多くて、初めはびっくりしてしまいました。(笑)でも、「物理的に成立するのかな?」、と思う事もフラットに役者に聞いてみて下さるので、「自分ならどう体現していくか、」を考える機会がすごく増えました。スタッフさんの力を借りるだけじゃなくて、自分たちの力でどうやってまずは表現できるかを考えるのが楽しいですね。そこから生まれたものに、スタッフさんの力もお借りして、相乗効果のある作品に仕上がったのではないかと思います!

──稽古場のエピソードなどあれば、お願いします

稽古場に日々筋トレクッズが増えていったのはおもしろかったですね。(笑)でも、身体作りの面でも、お芝居作りでもみんなが自分の課題に対して真摯に向き合い、それぞれがどこまで高められるかを良い意味で競っていたのでお互い意識してやれていたと思います。みんなが頑張るから、自分も頑張る。俺が頑張っている姿をみて頑張ったと言ってくれた仲間もいる。素敵なカンパニーだと自信を持って言えます!

──これから観に行こうかと思っていらっしゃる方に、一言お願いいたします。

「FAIRY TAIL」の持つ力、パワーを僕達なりに長い時間をかけて表現するべく、大切に創ってきました。そしてこの作品の中では、最新の映像技術に加えて、あえて古典的に表現しているところもあります。最新鋭の演出とアナログの表現の良さの繋ぎや、それを引っ張る役者の力を観てほしいです。映像と音の融合、役者の持つ生の迫力を是非劇場で体感して頂きたいです。

 

ルーシィ・ハートフィリア役 愛加あゆ

──初日を直前にしたお気持ちはいかがですか?

幕が開き、お客様がどのような反応をして下さるのか、とにかくドキドキしております。そして、出演が決定してから、精一杯ルーシィの役と向き合ってきたので、このメンバーでしかつくれない「FAIRY TAIL」の世界を全力でお届けしたい気持ちで一杯です。

──実際に演じられて、いかがでしたか?

児玉さんとは宝塚時代以来、久しぶりにご一緒させて頂きました。演者の意見にも沢山耳を傾けて下さったり、2.5次元の舞台が初めての私に沢山の温かいアドバイスを下さり、新たな扉を開かせて下さった児玉さんに感謝の気持ちで一杯です。また、特殊な映像や小道具などが、見事に魔法の世界を表現しているので、演じていて、とても楽しいです!!

──稽古場のエピソードなどあれば、お願いします

他のお仕事の関係で、途中からの稽古参加だったのですが、共演者の皆様が本当にあったかい方ばかりで、何度も助けて頂きました。真剣な中にも笑顔の絶えない稽古場で、みんなの結束力がとても強いカンパニーだと思います!!

──これから観に行こうかと思っていらっしゃる方に、一言お願いいたします。

舞台で表現する「FAIRY TAIL」は、漫画やアニメとはまた一味違う、新たな「FAIRY TAIL」だと思います!!迫力満点のこのステージ!!是非一緒にこの世界を楽しみましょう!劇場でお待ちしております!!

 

ジェラール・フェルナンデス役 荒木宏文

──初日を直前にしたお気持ちはいかがですか?

とてもワクワクしています。ライブ・ファンタジーという新しいジャンルという事と、「FAIRY TAIL」という魔法を使ったバトル漫画が原作という事もあり、劇場での場当たりが終わるまでずっと発見があるとても刺激的な現場でした。ここから更にお客様も入り、やっと完成すると思うとワクワクが止まりません。

──実際に演じられて、いかがでしたか?

とても心穏やかな、少年少女の気持ちを持ったとても素敵な方です。またご一緒したいと心から思いました。魔法を見せる演出は演技力とは別に技術的なテクニックが必要だったりと、ナツやグレイ、エルザは大変な思いをしたと思います。ですが、さすがフェアリーテイルのメンバー。折れる事なくここまで来れたのはその役で選ばれた人柄がキャラクターと近かったからだと思います。

──稽古場のエピソードなどあれば、お願いします。

とても良い人達でした。それが良くない方に転がった瞬間もありました。空気を読み過ぎて、縮こまってしまったり……。でもそれぞれがそれぞれの形で一生懸命挑んでいたので、最終的には乗り越えここまでこられた事を嬉しく思います。

──これから観に行こうかと思っていらっしゃる方に、一言お願いいたします。

ライブ・ファンタジーという新しいジャンルに皆様「どういうものか」という疑問を持たれていると思います。その答えが30日から見られますので、興味のある方は是非観て頂きたい。この新しい挑戦は、新しい日本のエンターテイメントを築く第一歩。最高の夢の世界をお届けします!

 

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ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』は5月9日まで池袋サンシャイン劇場にて上演中。
2016年7月1日から3日まで上海公演が発表され、DVDリリースも決定!

チケットは5月3日より発売開始、特典付きのチケットもあるので、詳しくは
公式サイト http://www.fairytail-stage.com/UserPage/Detail/16 でチェックを。

原作:真島ヒロ「FAIRY TAIL」(講談社「週刊少年マガジン」連載)
脚本・演出:児玉明子
日程:2016年4月30日(土)~5月9日(月)
会場:池袋・サンシャイン劇場

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©真島ヒロ/講談社
©「FAIRY TAIL」舞台製作委員会2016

 

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