音楽朗読劇『ラビトン』開幕。これは時速246的、フェスなのだ。初日の場あたり舞台写真と川本成のコメント到着!

6月24日の午後、紀伊国屋ホール。
あと数時間で幕が開くという初日、舞台上では「場あたり」が行われていた。

 

 

「場あたり」とは、劇場入りしてから行う技術確認用のリハーサル。俳優の立ち位置、動き、照明・音響・映像が変わるキッカケ、舞台上にある道具の転換といったものを本番さながらに、ひとつ、ひとつ確認するものだ。

「ん、朗読劇なのに?」と思うなかれ。そこはさすが「川本成」仕様、というか時速246ならではの舞台だけに、仕掛けが満載。マイクの前で脚本を手にセリフを話すーーだけではなく。そのマイクさえも動き回り、生演奏に朗々とした歌声に合唱と振り付け、さらには漫才(?)、それらがとっ散らかることなく物語の流れに収まっているからすごい。

舞台上もそれは同じく、にぎやかに散らかっている。ところ狭しと捨てられたものに新たな価値を見出す「リボーナー」だ、と豪語する父(初日:宮下雄也)が集めた、いろいろなものが転がっている。そして次々と訪れるキッカケや転換で、それらガラクタたちもステキな役割を与えられていく。
動き回るマイクや小物たちを手に、セリフに合わせ舞台狭しと、ぴょんぴょんと飛び跳ね、移動させていくラビッツたち(神咲妃奈・長田まひる)が実に愛らしい。
これら森羅万象を相手に、まるでコンダクターさながらに舞台上を動き回り、ときに物語にも介入(?)する、謎の存在「?」(川本成)。

幼い頃は、父が集めた宝物にキラキラと瞳を輝かせていた息子(初日:豊永利行)は、やがて自宅が「ゴミ屋敷」と揶揄されることに抵抗を覚え反発する。しかし、頑なにゴミを処分しようとしない父は、ある約束を健気に守っていた。
そんな父子を見守る、母・なっちゃん(初日:春咲暖)の弟で、父と子の関係を気にかけている叔父(初日:細貝圭)は家族の暮らしを見守っている。

しかし、物語の進行上でのキッカケが実に多い。
生演奏があるだけに「音を二拍、待ってからセリフを言うとしっくりくる」とか「照明はこれくらい暗くなりますが移動は大丈夫ですか」とか「もう少し早めに会話に入ったほうがいいかな?」と、動きや声のタイミングを確認するだけでなく、移動する位置、声の大きさ、マイクの音の返り具合 といったことを細かく、ていねいに確認する時間が続く。
けれど、実はこの公演、キャストは日替わりである。明日はまたちがった俳優陣がこの演目に挑むのだーー。それ、大丈夫なの?

 

場当たりの休憩中
川本さんに話を伺った

 

緊張するといったことはなくて、もう楽しみしかありません。
今回は、僕が時速246公式サイトの「社長のひとり言」に書いた通り、これまでと現在、そして未来を映すようなキャストに集まっていただきましたが、この初日は最強の布陣なので、もう、ワクワクしかありません。

もともと、この『ラビトン』(2019年初演)は演劇でしたが、今回、朗読劇に書きかえたことで、むしろ遊べる要素が増えてしまいました(笑)。実はこれ「時速246が『朗読劇』をやったら、こうなっちゃいました!」という問いかけでもあるんです。
だって今、「朗読劇」と名乗る公演がとても増えていて、そのことに対して、お客さんもね、薄々、いろんなことに気付いているわけです。でも、「朗読劇って名乗ってるけど、ここまでやっちゃえるんですよ!」という、ちょっぴり反発というか、悪意みたいなものも込めているんです。

だから、こんなに大変すぎる(笑)朗読劇に集まってくれたキャストには本当に感謝しています。今日の座組でいえば、雄也くんは初演にも出てくれていて、観てもらったらわかるとおり、ものすごい破壊力なんです。でも、それが、ただただ舞台を壊すとかではなく、自身のなかに確固たる軸があって、全部理解したうえで演技的に納得できる方向で暴れているんですよね。そこがものすごく信用できるし、託せる。
豊永くんは声優の仕事だけでなく、時速246億 vol.05『グレイトフルデッド』(2011年)にも出てくれていて、今回、ほんとうに久々にご一緒できて、声という武器で雄也くんと真っ向からぶつかってくれている。
細貝さんは、ずっと出演してほしかった俳優さんのひとりで、今回、ようやく叶いました。そこに春咲暖さんという、みずみずしい若い力が参加してくれている。

バンドメンバーも、俳優で音響監督でもあり僕のいろいろな作品を託している西山宏幸くんをはじめ佐々木憲くん、津田北斗くん、小寺里枝さんと長年の付き合いの人たちばかり。だから、これはフェスですね! 時速246フェス!!! 朗読劇という形に演劇のいろんな要素をつめこんでいる……ある意味、あらゆる表現のセッションです。たとえば今回は紀伊国屋ホールという老舗劇場ですが、丸の内COTTON CLUBやブルーノート東京といった空間も似合うかもしれない。舞台は常にそうですが、今回も、一度として同じ公演はありません。そんな不思議でおもしろい作品ができあがったと自負しているので、ぜひ、劇場にお越しください。

 

音楽朗読劇『ラビトン』

公式サイト https://www.rabbiton.jp/

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