「ちゃんとここで待ってるからね」多和田任益 スペシャルロングインタビュー。俳優、10年目の今、想うこと。

 残念ながら上演することが叶わなかった本作に向け、またデビュー10周年の今年、最善席は多和田任益さんにお話を伺っておりました。公演中止を受け、インタビュー公開を各所と相談させていただき、多和田さんからの新たなコメントとともに本来であれば千秋楽だった本日、ここに送ります。

多和田任益さんコメント

 このインタビューは、「新・熱海殺人事件」「改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン~復讐のアバンチュール~」への思い、そして初舞台から10年経った僕の今の心境を6月5日にご取材いただいたものです。
 新熱海を完走できず、改竄モンテをお届けすることもできなかったので、この記事を読んでいただくことで、より残念な思いをさせてしまうかもしれないと思います。でも稽古やこうしてご取材をしていただくことも全て作品を創ることに繋がっているので、読んでいただけたら嬉しいですし、何より僕はきっとまたいつか熱海殺人事件に向き合う日がくると思っていて、そうならなくても熱海殺人事件は未来に残っていく戯曲だと思っていますので、次に熱海の幕が開く日に向けてこの記事を公開していただきました。

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『新・熱海殺人事件』千秋楽から三日後──『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン~復讐のアバンチュール~』の幕が開く。
続けての、しかも異なる役柄で板の上に立つのは多和田任益。俳優10年目の「今」を語る。初日を控え、先日、行われたプレスコールでの姿とともに、今の心を丸ごと、お届け。

インタビュー記事撮影:江藤はんな(SHERPA+)
取材・文:おーちようこ

『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン~復讐の~復讐のアバンチュール~』

劇場:紀伊國屋ホール
公演日程:2021年6月24日(木)~6月27日(日)
出演:多和田任益 菊池修司 兒玉遥 鳥越裕貴
作:つかこうへい
演出:中屋敷法仁

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初めて、舞台上でトランス状態を経験しました

 

──『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン~復讐の~復讐のアバンチュール~』上演、おめでとうございます。昨年は週末の自粛にかかり、千秋楽と福岡公演が中止になりました

多和田:あの日、「今日、この公演で東京は千秋楽になります」と僕らは開演直前に袖で聞かされて。でも、「混乱を招くので、終演後に発表となります」と言われて。だから思いもひとしおでした。もちろん全力で挑みましたがやっぱり心残りはあって。僕らは九州公演を予定していて、ことに水野朋子婦人警官役の兒玉(遥)ちゃんは地元だったから、楽しみにしていた人も多かったと思うし。
 ……実は初めてだったんです。こういう形で、突然、千秋楽がなくなってしまうという経験は。もともと完走したとしても「またやりたい」と思える舞台だったから。それはキャストだけでなくスタッフさんも同じで。なので、今回、再演が決まったときに、「ですよね!!!」ってなりました。

──その三日前まで上演されている『新・熱海殺人事件』に熊田留吉刑事役としても出演しています。

多和田:改竄モンテの再演が先に決まっていたんですが、お話をいただいて。総合プロデューサーの岡村俊一さんが「多和田ならできる」と言ってくださったので、じゃあ、きっとできるんだろうなと思って「やります」と応えました。なにより今年、俳優十周年でもあるので、こういう挑戦をしてみてもいいかな、とも思いました。

──十周年、おめでとうございます。初めての記事は2012年のミュージカル『テニスの王子様』青学vs比嘉初日ゲネプロ後、手塚国光役として初会見でした。初取材は2013年のミュージカル『テニスの王子様』青学vs四天宝寺に向け、小越勇輝さんと東啓介さんと松岡広大さんのクロス対談で、オーディション合格当時のお話を伺いました。

多和田:覚えてます。僕、バイト中だったんですが、マネージャーさんからの電話着信に気付いて「すみません、ちょっと抜けさせてください」って、控室で折り返して。大きな声は出せなかったけど「いよっしゃー!!!」って、心のなかで叫びました(笑)。

──デビューから10年経っていかがでしょう。

多和田:単純に10年経っての今、まさか、つかこうへい作品を2本連続して出演することに対して、怖れるよりも「やってやるぞー!!!」と思える自分になっているとは思わなかったのでびっくりもしています……その理由を考えてみたんですが、嫌な自分も受け入れられるようになったからかな、と。以前の取材でも話していますが、もともとコンプレックスの塊で自分が大嫌いだったから。
 あれもできない、これもできない、と、いろんなことに対して自信がなかったんですが、それらを全部含めて「これが自分だ」と思えるようになったんです。それは、なにか超えた瞬間があった、というわけではなくて、ひとつひとつ作品を重ねていったからの結果で。こうして続けてきたからこそ、モンテカルロをやりたい、できる、と言えた。もちろん機会を与えていただいたからには、やっていたとは思うんですが自信がないままに挑んでいたと思うんです。

──2017年「熱海殺人事件 NEW GENERATION」では熊田留吉刑事を演じました。

多和田:正直に言ってしまうと当時も自信はありませんでした。ただ、事務所を移籍したばかりで大きな転機ではあって、そこでお話をいただいたので「やってみよう」という気持ちが勝ちました。その後、改竄モンテを演出することになる中屋敷法仁さんとリーディングドラマ『ぼくらが非情の大河をくだる時─新宿薔薇戦争​─』で初めて、ご一緒させていただくんですが、これがまた大きな体験でした。
 正直言って台本が難解すぎて読み解けなかったんです(笑)。ただ、これもまた「できる」と言ってくれた中屋敷さんの言葉を信じて挑みました。以前だったら「わかんない。無理!」ってなっていたけど、解釈するより先に身体を動かしてみようと思って……舞台上でトランス状態みたいなのになったのも、実は初めてで。わからないながらもこういう体験を繰り返していくことが自信につながっていくのかもしれない……と、思った最初です。それまで人前に立つことはテニミュで経験させてもらっていたし、その怖さみたいなものはわかっていたつもりですが、それとはちがう感覚は初めてでした。

──演じることに対しての意識が変わられた?

多和田:やりたいことが増えた……という感覚かもしれません。言ってしまえば、スカウトしていただいて、気付いたらこの世界に入っていて、親に無理言って、大阪から出てきて迷惑かけてるし、親孝行したかったから、ただじゃ帰れないという思いもあって。
「やりたい」よりも「やらなきゃ」という気持ちが大きくて。でも「やれないから無理」と言い聞かせていたことが「やれないけど、やってみるか」と思える自分がいて、今、すごく自然でいられるんです。

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初めて、振り付けを演出しました

──やってみよう、ということでは『新・熱海殺人事件』作中ダンスの振り付けを手がけられたとか。

多和田:しました!!! 岡村さんから「やればいいじゃん」って言われて、僕、一瞬「は?」ってなりました。それは、昨年、僕がダンスエンターテインメント集団『梅棒』に入ったからこその「は?」だったんです。振り付けを考えることの難しさみたいなものを敏感に感じ取っていたからで、「やります!」と即答できない自分が、ちょっと面倒くさい感じになったな……とも思いました(笑)。
 ただ、岡村さんはできないことを「やれ」とは言わない方なのでやらせていただくことを決めました。任されたのは、全員で踊るパートで、演出の中江功さんが「この場面の曲を変えてもいいんだよね?」とおっしゃって。8曲くらい選んで「どれが振り付けしやすい?」と聞かれたので、TUBEさんの「シーズン・イン・ザ・サン」はみんなが知っていて耳馴染みもよく、踊りやすそうで場面にあっているんじゃないか、という意見をお伝えしました。

──「海を見よう!」と叫ぶ後です。とても似合っています。

多和田:でも、そこからが大変で。「すぐできるでしょ」みたいに言われて「えー!?」って思ったけど、悔しいから「はい!」って答えて。ちょうど稽古で楽曲のどこを使い、どう台詞が入るかの演出を付けた日で、さらに翌日が稽古休みだったので、帰り際に「その音源ください」と借りて。僕、帰宅して一休みしてから、夜中の12時から、近くのスタジオを借りて朝まで振り付けしたんです!

──ええ!?

多和田:明け方ちょっとだけ寝て、公演中だった『梅棒』に観劇に行って刺激をいただいて、「まだ、ちょっと調整するところがあるな」と思って、さらに手を入れて。で、翌日、稽古に行ったら当たり前のように「もう、できた?」って聞かれて、言われると思ったよ! って「できてます!」と答えました。

──すごすぎです!!!

多和田:岡村さんは楽しくなっちゃって「すぐ練習しよう。やって、やって」とか言い出して。「まあ、そのつもりでしたけどね!」と思いつつ、みんなから「すごいねー」とか言われながら振り付けて。つい「僕、昨日、休んでないからね!!!」って言っちゃいました(笑)。だって振り付けに関してはまだまだ新人ですから! 先輩方みたいにすぐにできないし、悩むし、時間もかかるし……と。

 でも、みんながノッて楽しそうに踊ってくれるのがうれしかったし、なにより岡村さんと中江さんからニュアンスだけ聞いた上で考えた振り付けを「いいねえ」と言ってくださって。そのときに、うわ、こんなに心躍るんだ……って知れたことも発見でした。

──創作する者として、信じて託す者と託された者の切磋琢磨と信頼関係がすてきです。

多和田:ありがたいことです。でも、休みたかったけどね!(笑) ただ、すごく楽しかったんです。難しかったし大変だったけど応えたかったし、実際に形になることは感慨深くて。それこそ『梅棒』という場所に参加したからこそできたことだと思います。未だに仲間からも「事務所を辞めて加入したの?」と言われるんですが。別に辞めてはいなくて、むしろ「場」が増えている、という感じです。

──確かに昨年、突然の『梅棒』加入発表には驚きました。

多和田:コロナ禍が全く関係なかったか……というと、決してそんなことはなくて。ダンスのレッスンしたいな、と思っても行けない、とか家にいる時間が長くて、いろいろ考える時間があったことも理由のひとつだと思います。あ、だから『梅棒』に入った気がします。この時間がなかったら、加入のお願いがもっと先になったかもしれないし、そうしたらお断りされた可能性だってあったわけで。
 でも、なんか、こういうときだからこそ『梅棒』って観てもらべきだ! と思ったんですよね。誰も傷付けないし、ノンバーバルコミュニケーションで誰が観てもわかる楽しい世界で。初めてゲスト出演した2019年の梅棒 EXTRA シリーズ『ウチの親父が最強』やほかの作品を観て「これだ!」って思えたんです。こういう世界を届けられる団体で僕も学びたいし、こういう団体こそもっともっと知られてほしいと思ったんです。それと、これは夢なんですが、いつか『梅棒』の先輩たちのように振付をしっかりできるようになったら、僕がかつてお世話になった舞台多和田任益(梅棒)として振付やステージングで恩返しができる日がきたらものすごくドラマティックだな……と思っているんです。

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初めて、「場を守るのも僕らの仕事」だと思えました

──改めて『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン~復讐のアバンチュール~』への思いを伺います

多和田:おこがましいかもしれませんが、僕の代表作と言われたい。熱海のモンテといえば多和田、多和田っていえばモンテがあるなあ、と思っていただけるくらいになりたい。
 いい作品だからこそ、みんなに観てほしいから。コロナがいつ落ち着くかわからないんですが、せめて落ち着くまで、いや、落ち着いた後も、たくさんの方々に観ていただけるようになるまで続けたいんです。阿部寛さんが演じられた1993年以来のモンテを演る、と決まったときは「マジか?」と思いましたが、この経験を経て自分の知らない扉が開けそうだなと感じたし、おもしろさのほうが勝ったんです。

──座長公演です。

多和田:あまり意識してなかったんですが、うれしいことがあって。新・熱海と改竄モンテの衣裳さんが同じ方なんですが、改竄モンテで「真ん中の顔、をしていたよ」と。新・熱海は「熊田として脇の役を楽しんでるね」と言ってもらえて。近くで見ていてくれる方がそんなふうに見ていてくれていることがありがたいな、と思いました。ただ、実を言うと座長公演は2016年『ソラオの世界』、2017年『ぼくらが非情の大河をくだる時』以来なんです

──そうでした……意外です!

多和田:でも、改竄モンテでは座長への重責みたいなものはあまりなくて……むしろ『ソラオの世界』のときのほうが舞台経験も少なくて、いろんなことに責任を感じてしまっていて。お客さんを集めるといったPRまでも自分の責任だと思ってしまった……もちろんそこも大切だけれど、重きをおくのは、真ん中に在る、演じる、ということだと今は思える。まず、自分が果たさなければならないことを果たす。それは作品と向き合うことである、と気付いたというか。

──先程の、ここ数年で演じることの意識が変わった、というお話と通じます。

多和田ソラオ以降ミュージカルやダンスパフォーマンスだったり、ストレートプレイ以外の舞台にも立たせていただいて、改めて舞台の魅力を感じたし、新しいことにもトライして楽しめるようになってきていたんですけど、”芝居”に対する意識がまた大きく変わったのは2018年かな。2017年の末に舞台『文豪ストレイドッグス』で太宰治と出会って、2018年に少年社中 第34回公演『MAPS』、舞台「野球」飛行機雲のホームラン~Homerun of Contrail、舞台『文豪ストレイドッグス 黒の時代』と続いた三作が僕のなかのなにかを変えてくれました。
 三作とも「とにかく芝居が好きなんだ!」っていうのが伝わってくるキャストが集まっていて稽古の時から一緒に芝居をするのが本当に楽しかったし、たまたまですが、三作続けて、台本のト書きに「泣く」とあったんです。今までは流れで泣いてしまうことはあっても最初から演出で泣くということはなくて。実はそれまで「は? 泣く、ってなんですか? 人は泣きたいときに泣くものです! 泣かせたいなら、泣けるような台本書けや!」と思っていて……生意気ですよね(笑)。でも、それって本当は僕が苦手だったからなんです。できないことに対してバリアを張っていたというか。なので、あー、ついにこの日が来たか……とか、思っていたのが、実際に演じてみたら泣けたんです。苦手意識の一個を乗り越えられことがうれしくて。ずっと喜怒哀楽を表現するのが苦手で、レッスンでも「あなたは内に閉じ込めちゃうタイプだから」と言われ、自分はダメなんだと思い込んでいて、向いていないのかな、と悩んだ時期もあったから。

──視点の位置が一つ、高くなられたように感じます。

多和田:昔はお客さまがすべてで、それは当たり前のことで、お金を払って時間を使って観てくださっている方を楽しませることのは当然で。そこからさらに、演出家、スタッフの方々に役者として人として認めてもらえるようになりたい……と考え始めたころから、演じることに対する意識が変わって来たように思います。
 今もお客さまを楽しんでもらうことがいちばんではありますが、なかには感性のちがいとかで「おもしろくない」と思ってしまわれる方もいるかもしれない。それはそれで感想として受け止めるし、場合によっては反省することだってあります。ただ、演出家や作品を創る方が「これでいいんだ」と思っていらっしゃるなら、それでいい、この作品と向き合えたな、と納得できるようになりました。いろんな演出家の方とご一緒するで、知らない自分を引き出してもらえる楽しさに気付いたというか、もっともっと自分を知りたいと思うようになったというか。

──その意識すること、が大切ではないかと。

多和田:確かに、意識して受け取らないと全部流れていっちゃうと思うので。受け取るだけでなく、打ち返したいと思って、必死にあらがっているので……そうですね。受けるのでいっぱいいっぱいだったころから比べて、いろいろと自覚的に考えて動けるようになったことで、自分を肯定することもできている気がします。

──10年経って、しなやかに変化しています。

多和田:……ああ、もう10年たったんだな、と、普通に思うんです。これ、数年前だったら「10年だよ! がんばったよ! お祝いしてくれよ、事務所!」とか言ってました(笑)。まあ、冗談ですが、そういったテンションだったと思うんですが、今は「ああ、十年なんだ……そうか、これからもコツコツとやっていこうね」という感じで。
 これまでの作品、キャスト・スタッフの方々、応援してくださる方々との出会いが今の僕を作っていると思うし、あの時だからこそ得られる物があったと思うのでそれらを大切にしていきたい。だから、お客さまだけでなく、スタッフの方々にも求められる役者でいたいし、そう考えられるようになったことこそが10年経ったからだなあ……と。

──お話を伺っていると、 とても自然に肩の力が抜けているように感じます。

多和田:それは自分でも感じます。さっきの話に戻りますが、ずっと嫌いだった自分を、そのまま受け入れていけるようになって、弱さも認められるようになって、それが自然になって、ようやく力まなくなったというか……焦らなくなりました。
 今、この状況で、僕をずっと応援してくださっている方のなかでも応援したい気持ちがすごくあるのに、会いに行けない、観に行けない、という方もいらっしゃって。その葛藤のなかで気疲れして少し休みたい、という方もいらっしゃるだろうし。それは無理ずに休んでほしいんです。もちろん観ていただくのが僕らの仕事ですが、また観にきていただけるまで、舞台を守るのも僕らの仕事だと思えたから。戻りたいな、と思ってくださったときに、あれもこれもあるよ、と言えるように舞台の灯を消さないように、と。それも僕らが担うべきことだと考えられるようになりました。
 だから……あの……誤解を恐れず言うと「絶対応援してください!」というのもなくなっていて。「ちゃんとここで待ってるからね」というか「多和田はやっぱり多和田だな」と思っていただけるように、やっていきます。なので、ご自分のペースで応援してください。無理せず、観てくださったり、カレンダーを買ってくださったりしてくださったらうれしいです!(笑) そして、30歳も見えてきたので、中身は相変わらず小学生だけど、ダンディーを目指します!

──改めて一年経っての再演で、キャストの皆さん、それぞれに力をつけて戻ってこられたかと。

多和田:はい。去年の記録映像を見たときに「は? よく、これでやってたな!」みたいなところもあって。あの時点での全力でしたが、一年しか経ってないけど「ああ、ここもっとできたな」といった部分もあったので、それは今回の改竄モンテにぶつけます。新・熱海が在るから、とか言い訳せずに! 稽古期間は短いけれど!!!(笑)

──改竄モンテのキャストの方々に一言、お願いします。

多和田:このご時世で、いつ公演が中止になってもおかしくないところで昨年の公演をまたできる、ということがすごく幸せなことです。大変な作品だし、苦労もしたけど、そして今回も苦労するだろうけれど、この熱を届けようね、と。あとはもう信頼しているので特に言うこともなく「楽しもう!」ってことですね。僕らが楽しむことが客席にも伝わると思うし。全力で「復讐のアバンチュール」というサブタイトルに負けないようにがんばろうな!

──座長としての意識はない、とのことでしたが、その覚悟や意思は届くのではないでしょうか。

多和田:あー、そうだとうれしいですね。前回も鳥ちゃん(鳥越裕貴)と話していて。(菊池)修司と兒玉ちゃんの若い二人に、あっ、と思えるものをひとつでも渡せたらいいな、と。だから、今回も同じように、いや、それ以上になにかを渡したい。それが、作品の精度を上げることになると思っています。
 なにより、今回、再演ではないですからねっ! 同じキャストで同じ演出家なのに台本を受け取ったときに「へー……再演???」ってなりました。もうね、完全新作ではないですが準新作くらいな勢いで、歌が増えたり台詞が変わっていたりするので楽しみにしていてください! そして、舞台上の多和田とこうして話す多和田は別人格だと思ってほしい。ギャップにドン引きしてください。

多和田任益 たわだ・ひでや
1993年11月5日生まれ。27歳。
公式サイト https://gv-actors.com/

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