つかこうへい十七回忌特別公演「熱海殺人事件」ラストメッセージ ユニコーンチーム(荒井敦史 大原優乃 横田大雅 高橋龍輝)開幕。写真一挙公開! 

あまりにも若く、愚かな
金太郎とアイ子がいた

チームユニコーン(荒井敦史 大原優乃 横田大雅 高橋龍輝初日、の数時間前。
紀伊國屋ホールでは、ある場面の公開取材が行われた。
それは、捜査のため大山金太郎が山口アイ子を殺してしまう刹那から最後までの鬼気迫る30分の上演。
途中からの上演にも関わらず、そこには汗だくの4人。

あまりにも初々しい2人だった。
水野朋子婦人警官が捜査のために演じるアイ子が泣きじゃくる。
アイ子を思うあまりに、空回りして、すべての選択を間違い続ける金太郎。
そんな金太郎への想いからくるいらだちを隠すことができず、声高に叫び続けるアイ子。
なんと激しい。
最年少で金太郎に挑む、横田大雅は、自ら演りたいと願ったことを演出の中田功は当サイトインタビューで明かした通り、全身全霊で挑んでいた。そして、大原優乃も然り。同じく中江功が期待を寄せた水野朋子として、ときに愛らしく木村伝兵衛を翻弄しながらも役として在った。

目に一杯の涙をため、叫べば叫ぶほどにボタンは掛け違う。d
絶対に言ってはいけない言葉を投げつけ、ずれて行くことに気付けず、自分の感情でいっぱいいっぱいになっている2人の先にはもう、破滅しかない、と知れる。
チームライオン(荒井敦史 村山彩希 百名ヒロキ 高橋龍輝とは違いすぎるほどに違い、あまりにも幼く、切ない。
彼らが生きる強さを見せつけるなら、こちらは弱さを見せつけている。

ボロボロと泣きながら、すれ違い続ける2人。
彼らを、木村伝兵衛は、熊田留吉は、どんな思いで眺めていたのだろう。あまりにも痛々しくて、とても観ていられないーーそれでも目が離せない、離すことができずにいた。

同じ演目なのに、こうまでも違うものかと驚と同時に、この両チームを支え、全公演シングルキャストで迎える荒井敦史、高橋龍輝の胆力と底力、すべてに対応する表現力にただただ感嘆する。
まさに中江功の、彼らが両輪となり、その間で初挑戦する俳優たちが自由に暴れている、という言葉を噛み締める。

同時に、この2人が十代で初めて舞台に立った作品を観ていたことを振り返る。ああ、こんなにも頼もしい俳優となり、ともに30代となった今も心奮わせてくれる。若い俳優たちと向き合っている。その姿を見届けることができることは、なんと幸せか。
今回、両チームをキッカケに初めて演劇に触れた人々も多いだろう。その先へと思いを馳せる。

ぜひとも両方の公演を見届けてほしい。
来週控える、本公演のシャッフル公演も楽しみで仕方ない。

撮影・文/おーちようこ

つかこうへい十七回忌特別公演
「熱海殺人事件」ラストメッセージ

公式サイト http://rup.co.jp/stage/atami_2026.html

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