平成から令和にかけて上演される問題作!? 春のつかこうへい復活祭 VOL.2 『銀幕の果てに』開幕

 4月24日(水)、春のつかこうへい復活祭 VOL.2 「銀幕の果てに」が開幕した。折しも、故・つかこうへいの誕生日に初日を迎える本公演は、1989年に発表された戯曲『今日子』をベースに着想し、誕生したという告発サスペンス。演出は春のつかこうへい復活祭を手がけ続ける、岡村俊一。その初日を前に囲み取材とゲネプロ(公開稽古)が行われた。

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 登壇したのは主演の矢島舞美をはじめ、キャストから味方良介、木崎ゆりあ、石田明、佐久本宝、松本利夫。自身の役どころから、令和を迎えた瞬間にやりたいことまで笑いも交えて繰り広げられた、カンパニーの空気が伝わる当日の模様をたっぷりの写真とともにここにお届け! なお、本記事後半レビューでは、作品の一部内容を含みます。


──皆さんの役どころをお願いします。
矢島:私は野火止玲子こという圧倒的な大女優の役で、圧倒的な強さと優しさでみんなを包み込むような役です。つかこうへいさんの作品に出演させていただくのは『LADY OUT LAW!』以来、二度目なんですが、当時は悔しさばかりが残っていて。その悔しさをすべてぶつけて挑みたいです。
味方:僕は村雨官房長官という役で、物語とは一線を画したところにいるんですが、その前に先週まで、石田明さんとともに『熱海殺人事件 LAST GENERATION 46』に出演していたので、続けて同じ紀伊國屋ホールに立つ、僕らの超人ぶりを観ていただけたら、と思います。
石田:僕の役は、富山から赴任してきた熊田留吉……
味方:石田さん!! 違いますよ、それ先週、終わりました(笑)。
石田:あっ、まちがえました(笑)。僕は復讐に燃える謎の脚本家を演じます。たいそう執念深い役で、熊田とはまた違ったところに自分なりの筋を持っている役なので、そこを見せたいと思います。
佐久本:僕は照明家の役を演らせていただいています。間違ったことは間違っていると言える信念の持ち主です。
木崎:大部屋女優の役で、17歳から60歳までを演じます。松さん(松本利夫)と夫婦の役なんですけど……親子くらい年が離れているので……
松本:やかましいわ!(笑)
木崎:(笑)、その年の差を感じさせないくらい熱く演じたいと思います。松さんにはけっこう虐げられるんですが、そこにも意味があるというか……どこまで言っていいのかな?(笑)
松本:僕は映画監督の役を演じますが、この作品に出ていると実際にはなんの役なのかわからなくなってしまいます。そんな混乱も楽しんでほしいです。とにかく皆さん、演技がうまい方ばかりなので、稽古場で一所懸命にやられている姿を見て、頑張ろうと思いました。

──平成から令和に渡って上演されますが、令和に入って最初にやりたいことはありますか?
木崎:呑みましょう!
石田:ああー、それはいいですね。実は私、最近、家を買いまして(一同、おおー!)書斎がまだできていないんですが、そこに皆さんをお招きして、一緒に呑みたいですね。
矢島:このカンパニーでホームパーティをしたいです。
味方:僕は元号が変わった最初に舞台を観に行きたいです。平成と令和にかけて芝居をさせていただいていますが、やはり観劇人でもいたいので、劇場に行きたいです。
佐久本:僕は令和になった瞬間に、沖縄にいたいです! このメンバーと一緒に里帰りしたいです。
松本:僕はなにもしません! 子どもと遊んでます。自分で言うのもなんだけど、子どもと遊んでいるのがいちばん楽しいです。

──つかこうへいさん新作の初上演ですが、この役を世界でいちばん最初に演じることへの意気込みをお願いします。
矢島:つかさんの誕生日に初日を迎えられることがうれしいです。つかさんの作品はやればやるほど重みが増していくのでしっかり応えていきたいです。稽古場でも、全員が本気の熱をぶつけてくれていたので、私も全力でそれに返したいと思います。
石田:とても重い宿題をもらった気がします……試練をいただいたというか。この先もずっと演じられていくであろう、この作品の初演に全力で臨めることは光栄です。舞台として立ち上げるところから始められたことは僕たちにとっても大きな力となったので、初日からどんどん進化していくので、その姿をつかさんに観てほしいと思います。
木崎:新作ということで、前例がない作品をみんなでイチから創り上げることができたことがうれしくて、私たちだからこそ創り上げることができた作品になっていると思うので、そこはすごく大事にしていきたいです。
味方:たくさんの人がつかこうへい作品を愛していて、でも、僕はお会いすることができなかった……その悔しさや哀しみもあるんですが、出演させていただくことで、その伝説的な存在の一部となれていくことに感謝しています。この『銀幕の果て』を通して、さらに「つかこうへい」という大きな存在が、未来に残っていくことを目指してがんばります。
佐久本:僕が紀伊国屋ホールに初めて立ったのは、味方さんが木村伝兵衛を演じていた『熱海殺人事件』でした。ただ、そのときは“爆弾”という役で、つかさんの書かれたセリフをしゃべることはなかったんです。ですが、今回はつかさんの書かれた言葉を話し人に伝えるということで、より緊張します。この熱をなんとか多くの人に届けられるようにがんばります。
松本:常に「人間」が演っていることなので、僕らだからこそ演れるものがあり、そこを見せたいと思います。つかさんが亡くなられたあともその魂は引き継がれていく、そのことがすごいと思います。だからこそ、今回、出演させていただくことで、一人の人間として演じさせていただくことを大切に思い挑みます。

 

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左から木崎ゆりあ、石田明、矢島舞美、味方良介、佐久本宝、松本利夫。
※木崎ゆりあの「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

 

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 物語が繰り広げられるのは、秩父山中にある大東映画撮影所。ここで、今、1本の映画の撮影が進められようとしていた──果たして、その内容は過去の不可解な女優の死を真相を告発するものだった。一方、内閣府では密かにある計画が進んでいた……それは、原発を巡る機密!?

 鍵をにぎるのは伝説の大女優、野火止玲子。
「女優っていうのは、そういうことをやるんだよ!!!」
「東◯だって、東◯だって、映画はヤ◯ザが撮ってんだよ!」
「あたし……この役、降りたくないのよ……!」
「華っていうのはな……意思のことなんだよ」
 飛び交う怒号、罵倒、哀願、禁忌すれすれな台詞の数々、丁々発止の掛け合いが怒涛のように繰り広げられる。が、そこでかかる「カッート!」の声。瞬間、これが撮影なのか、真実なのかがわからなくなり、いつしか観客はその熱に取り込まれていく。
 
 1989年に発表された戯曲『今日子』をベースに着想し誕生した新作は、「女優」という人前に立つことを選んだ生き物の、性(さが)とその輝き、美しくも壮絶な生きざまをあぶりだす。
 銀幕に魅せられ、狂わされた者たちの嫉妬と羨望を一身に受け、今、女優は壮絶に光り輝く。
 
 東京公演は4月29日まで東京・紀伊國屋ホールにて、大阪公演は5月8・9日にCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて。上演時間は休憩なしの約2時間を予定。

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撮影・文/おーちようこ

 

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春のつかこうへい復活祭 VOL.2「銀幕の果てに」

2019年4月24日(水)~29日(月・祝)
東京都 紀伊國屋ホール
2019年5月8日(水)・9日(木)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:矢島舞美、味方良介、木崎ゆりあ、石田明、佐久本宝、久保田創 /岡田帆乃佳、黒川恭佑、磨世 /松本利夫
※木崎ゆりあの「崎」は立つ崎(たつさき)が正式表記。

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