「時をかけ・る~LOSER~」初スピンオフ公演「羽州の狐」主演、安西慎太郎が明かすこと。「全裸で行きます!」

時をかけ・る~LOSER~。それは「敗者の歴史」を研究する5人の研究員(安西慎太郎、木ノ本嶺浩、松田岳、前川優希、内藤大希)が「歴史研究学会」にて自身が選んだ武将のLOSER(敗者)っぷりを発表する、歴史オムニバスストーリー。

演出に、明治座年末上演のエンタメ時代劇「祭シリーズ」で4年連続座長を務めた平野良を迎え、届けられたのは「関ケ原の戦い」を浮き彫りにする5つの物語。

真田信之をグランドミュージカルで描いた「ミュージカル NOBUYUKI!!」、直江兼続を2.5次元風で描いた「ラブミュ★北の関ケ原」、小早川秀秋を裁判劇で描いた「被告人ヒデトシ」大谷吉継を描いたエンターテイメント「莫逆の友」、安国 寺恵瓊を描いたストレートプレイ「嗤う怪僧」。注目の俳優陣が集った本作は全席即日完売! 2025年10月に「明治維新」をテーマに新作上演が待たれる人気公演となった。

その第二弾に先駆け、シリーズから初のスピンオフ公演にして外伝「羽州の狐」上演決定! 「ラブミュ★北の関ヶ原」登場の、伊達政宗の伯父にして宿敵、シャケさまこと最上義光の血塗られた半生。戦国時代、出羽山形藩の初代藩主として数奇な運命に翻弄される姿を描く、会話劇。

 

きっと皆さんが待っているであろう
狂気の安西慎太郎をお届けします

──初のスピンオフ作品、外伝「羽州の狐」公演決定、ならびに主演おめでとうございます。

ありがとうございます。まず、僕自身、る・ひまわりさんの新シリーズ「時をかけ・る~LOSER~」(以下「時る」)の初公演に参加できたことがうれしくて、続けばいいなと思っていたんです。さらにそこから「ラブミュ☆北の関ケ原」で演じたサブキャラのシャケさまで、まさかスピンオフで1本、ガチの会話劇を演じさせていただくことになるとは思ってもみませんでした。
る・ひまわりさんの舞台は僕のなかでもちょっと特別なんです。2014年「聖☆明治座・るの祭典~あんまりカブると怒られちゃうよ」で初めて明治座に立たせていただき、2017年「ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭」で辻本祐樹さんとダブル主演の機会をいただいたりして。 だから「時る」初のスピンオフで 脚本も赤澤ムックさん、音楽もオレノグラフィティさん、演出も平野良さんと同じ方々がいてくださって、さらに良さんは出演もしてくださることが、めちゃくちゃうれしいです。

──プロデューサー氏によると、「時る」で安西さん演じる「シャケさま」こと最上義光が、まさかのシャケを背負って踊る姿に大きな反響があったとのことです。

あれは稽古中に、シャケさまが本当にシャケを背負っていたらおもしろいよね、って誰かが言い出して。でも、じゃあ物理的に可能なのか、と演出部さんがものすごく考えてくれて実現しました。

──稽古場で生まれた、ひとつの案がキャスト、スタッフにより形になることはすてきです。

そういう空気を演出の平野良さんが作ってくれていたんです。良さんの演出は共通認識だけ持って、役者が自分で考えて演ることを見守ってくれて進めていくという感じでした。そのなかで、たまにポン、と一言あって。今、それを言われたということは、どういうことなんだろう、と考えて演ってみる。 本当に必要なことをだけを言ってくださるんです。だから、役者も考えることや実行することをやめなかった。
役者やスタッフのモチベーションが下がるような話も一切しなくて、ものすごく人柄の良さみたいなものがにじみ出ていて、いろいろなところに目が届く、思いやりのある優しい人なんだな、と改めて思いました。

──スピンオフ企画はシリーズ続編も含め、史実を調べるなかで最上義光の悲劇を知り、ぜひ安西さん主演でダークファンタジーの外伝を! ということになったとか。

すごく光栄なことで、お話をいただいて即答でした。ただ、キービジュアル撮影のときにシャケさまの明るいイメージで行ったら、全然ちがっていて。狐の面とか渡されて、そうだ! 今回のシャケさまはダークなやつだ(笑)、って軌道修正しました。なので、今回はダークな空気が出ているかと思います。

──とはいえ「ラブミュ★北の関ケ原」でもにこやかに佇みながらも、ふいに悪い顔を見せる瞬間もありました。

あー……すごく自覚しているんですが、僕の中身は本当に暗いんです。だから撮影のときも、あっ、そうか、ダークに演る必要もないな、そのままでいればいいや、となって。「時る」での「嗤う怪僧」の安国寺恵瓊もですが、僕の本質はそっちなんです。そして、みなさんが待っているのも、そんな僕だと思うので、 狂気と妖しさを届けます。

 

全裸で行きます!
恥をかきます!

──脚本のプロットを拝見しましたが、最上義光の半生として幅広い年齢を演じます。

そこも新たな挑戦ですね。ひとつの作品のなかで複数の役を演じることはありましたが、ひとりの人間の生涯を演じることは珍しい機会です。ただ、良さんも2022年の、笑う門には福来・る祭「明治座でどうな・る家康」主演で徳川家康の一生を演じていて。その幅の広さと表現力に圧倒されてしまったので、僕も全力を尽くしたいですね。さらに今回、良さんの役は僕と深く関わっているので今からどうなるか、楽しみしかありません。

──改めて、意気込みをお伺いしたく。

チケットを買ってください!!!
(同席していたプロデューサー氏、思わず)え! ありがとうございます!!!

──ど直球すぎる、意気込みです。

演じる上での思いはもちろんあるんですが、やっぱり初のシリーズ立ち上げ、初のスピンオフというからには結果を出すのが俳優として目指すところではないかと。そこはここ数年、僕自身にとっての課題でもあるので。

──その心は?

自分で公演を企画したからです。2020年の安西慎太郎一人舞台「カプティウス」(最善席の記事はこちら)の経験が大きくて。初めて予算からスケジュールと全部やってみて、最終的には観てくれた皆さんのおかげでなんとかなりましたが、最初に劇場を借り借金がある状態から始め、ひとつの演劇公演にどれだけの手間とお金がかかるか、といったことを知る機会でした。
俳優はそんなことを知らなくてもいい、という意見もあると思います。でも僕は知りたいし、知ることがすべて演じる糧になるから。ただ知ってしまったからこそ、その後に突入したコロナ禍の間はいろんなことを考えました。生々しいことかもしれませんが、そういった仕組を知ったからこそ、どうしたら続けることができるか、と前向きにもなれたんです。

──真摯な言葉、感謝します。改めて、演じる上での想いを伺いたく。

全裸になります!
(プロデューサー氏)えっ!!!!!

──またしても、どういうことでしょう?

全部をさらけ出すということです。これまで、自分がまとってきた殻みたいなものを一度、全部、脱ぎ捨 てたくて、とことん恥をかいて生きていきたい。今、ささやかながら持っているかもしれ ない自分の武器 を全部とっぱらってみたい。今回は会話劇ですが、ストレートプレイやミュージカルに限らず、2.5次元と、なんでもやりたいと思っているんです。
ことに2.5次元作品は、なぜか「安西慎太郎は出ない」と思われているみたいで。実際、聞かれたこともありますが、まったくそんなことはないんです! 語弊があるかもしれませんが、役者としてのプライドがない、というか、機会を与えていただけたなら、ただただ真摯に演じたい。それはいただいた役に対して全力で挑む覚悟でもあります。

──その心境の変化はいつから?

ずっと考えていたことです。でも、うまく言葉にできていませんでした。役者を始めた当時は、苦しいこともあったけれど、ひたすら楽しかったんですよね。演じるのが楽しくて、人と出会うのが楽しくて、舞台の上にいることで生きている! と感じられて、ただ、その感覚だけがあればよかった。でも、あるときから「これは仕事だ」と思うようになり……というか、これ絶対、仕事じゃないですか。
いろんな作品に出会い、役と出会い、その都度、これは役者という仕事なんだと、という感覚が強くなったときに、今までの「純粋に楽しむ」ことへの限界を感じたというか……ちがうな、うん「楽しみ方が変わってきた」という言葉があっているかな……なんか、今、そんな感覚でいるんです。

 

技術が可能性をせばめるかもしれない
だから全部を捨てるんです

──演じるにあたり、先の「狂気の安西慎太郎」のように、自身の武器があるのは大きいかと。

確かにそれはあると思います。僕の狂気みたいなところを認めてくださったからこそ、いただく役もあります。ただ、そこだけを伸ばして、それしか演らない、あるいは演れないと思われてしまうことは、ありがたい面もあるけれど、ちがうとも思っていて。だって、どんな作品であっても役者としてやることは変わらないから。だとしたら新しいことにも挑戦したいし、これまで使ったことのない身体の使い方、たとえば歌うとか、踊るとか、そういったこともやっていきたい。
だから「羽州の狐」ではあえて芝居をうまくやらない、ということも挑戦したくて。それは手を抜く、とかではなく。これまで完璧を目指して身につけた技術が、物語や役の可能性をせばめているんじゃな いかと、と思っちゃったからなんです。

──技術が可能性をせばめるとは?

最上義光という人は、とてもおもしろい人間で、いただいたプロットもおもしろくて、いろんな「おもし ろさ」を秘めていると感じたからこそ、作品が持ちうるすべての可能性に巡り会いたいんです。だから、あえて、こんなふうに演ろう、こんな感じでいこう、ということをすべて排除すると決めました。これを「ヘタクソに演じる」と説明するのがあっているかはわかりませんが、一度、全部、自分の武器を手放して臨んでみる。それが、初スピンオフで主演に選んでいただけたことに応えることだと思ったんです。
やっぱり人って周りからの評価を絶対に求めてしまうものだし、自分自身も少なからずそういう欲求があって。認めていただけたらもちろんうれしいですし、その期待にもっともっと応えたいと思っちゃう。でも、その意識がいつしか無意識のうちに自分を小さくまとめてしまっているんじゃないか、とも思って。だから、今、自分に染み付いている技術みたいなものを一度、捨てたいな、と考えました。それはある意味、「人間安西慎太郎」が「役者安西慎太郎」を信じているということなのではないか……と、今日、この取材でたぶん初めて言語化できた、と感じています。

──大切な思いを明かしていただき、届けることができることに感謝します。

心に届くものってなんだろう、ってことを考えたりするんです。そのためには圧倒的な技術も必要ですし、きっと人間力とか言われる本質的な部分も大切だと思うんです。だから常に、自分はそのためにどうしたらいいのか、なにが足りないのか、と考え続けていて。本当に課題の日々です。
日常で生きていく、って、いろんなことを忘れたりとか取りこぼしたりしてしまうと思っていて、それらをすくい上げるのが演劇というか、エンタメだと思っているので、そこに対して、今の自分が、なにをどうできるかを真剣に考えています。だからこそ30歳になって、初主演の機会をいただいたことにこの身を尽くしたい。お客様の心に響き、人々の人生の一部に棲みつけるような作品を作りたい。それを今の僕の周りにいてくれる、たくさんの方々の力を借りて、どう届けられるか? をずっとずっと考えています。

 

◎写真/る・ひまわり 取材・文/おーちようこ

チケット先行予約情報

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どこよりも早い、最速先行予約で、本先行だけのスペシャル特典「俺たちとシャケ」(※シャケと出演者4名が一緒に写ったブロマイド)も。

申込方法などの詳細は、る・ひまわり会員限定のメールマガジンにて送付済み。
なお、現在も新規会員登録(無料)受付中。メールマガジン配信後に登録の場合も、先行予約受付期間中(6月15日まで)であればお申し込み可能です。

詳しくはこちらにて。

「羽州の狐」キャストの意気込みコメント動画到着!
https://youtu.be/7yJiuk-259g?si=FU7oKuyPRSQu1pih

「羽州の狐」

2024年10月23日(水)~27日(日)@CBGKシブゲキ!!
【脚本】赤澤ムック
【演出】平野良
【出演】
最上義光:安西慎太郎
伊達政宗/大谷吉継:松田岳
伊達成実/上杉景勝:木ノ本嶺浩
中野義時/黒田官兵衛:平野良

【あらすじ】
山形に一匹の”狐”あり。狐の名は最上義光。
賢くも日和見主義だった若き頃、彼に、拭いきれない後悔が生まれた。
その日から狐の傍らには”人ならざる者”が存在し、彼を冷ややかに見つめる。
数多の悲劇に見舞われた狐は、いつしか残虐さを身につけ、復讐を始めた。
狐の憎しみに気付かない甥、伊達政宗は、それと知らず狐の心の鍵を握っていた。

「これを許すと言わないでおくれ。」

復讐を終えてなお、最上義光が許せなかったものとは―。
4人の実力派俳優が紡ぐダークファンタジー。ここに開幕。

【公式HP】https://le-himawari.co.jp/galleries/view/00132/00702

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