10周年は忠臣蔵だ!! チャオ!明治座祭10周年記念特別公演『忠臣蔵 討入・る祭』 安西慎太郎&蒼木陣対談だ!
2020.12.26
2011年『新春戦国鍋祭~あんまり近づきすぎると斬られちゃうよ~』上演から10年──演劇製作会社る・ひまわりと創業145年を超える東京最古の老舗劇場明治座が放つのは歴史舞台「年末“祭”シリーズ』と題し、大人が真面目に全力でふざけた独特なオリジナル解釈によりお届けする歴史エンターテイメント時代劇! その10周年を迎える今年、贈られるのは『忠臣蔵』を題材にした物語。
本日は、『忠臣蔵』で、因縁の関係(?)である、浅野内匠頭を演じる安西慎太郎さん&柳沢吉保を演じる蒼木陣さんの対談をここにお届け。対談実現の理由を知り、わちゃわちゃと騒ぎながらの撮影を終え、実際に話してみれば……飛び出したのは熱い思いと互いへの信頼でした。
撮影・取材/おーちようこ
──(撮影中)今日は蒼木さんが安西さんとお話したいという希望があった……という噂をお聞きしての対談実現です。
蒼木:……いや、あの、確かにいろんな対談でお話をださせていただいておりますが……え、うれしい。
安西:え! なんだろう。顔が整いすぎてるって話ですか?
蒼木:えーと(笑)、とても演技がうまくてカッコいいって話をしてます!
安西:ありがとう! そうなんですか?
蒼木:そうですよ。
安西:うれしいなあ……。
尊敬している、と真っ直ぐに言葉にできる人でありたい
──改めてお話を伺います。蒼木さんは安西さんについて、どんな話をされているのでしょう。
蒼木:他の取材で、同世代の役者で尊敬している人は? という質問で、名前を出したのが、しんた(安西慎太郎)なんです。もともとのキッカケは三年前に、今回と同じ年末シリーズで、しんたと辻本祐樹さんW主演の『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭』で初めて共演して。その前にも出演作を観る機会はあったんですが、稽古場にいるときの「在り方」みたいなものから、なにもかも初めて見る姿で、こんな役者がいたんだ……! って驚いたんです。
当時は今よりも終わった後にご飯に行ったりできたから、プライベートのお話も聞けたりして、その価値観とかいろんなことがすごく新鮮で、初めて出会うことだらけだったんです。だから年下ではあるんですが、同年代の俳優として尊敬しているんです。
──聞かれていかがでしょうか。
安西:いやー……あの、いちばんはうれしい! っていう気持ちがあって。あとは……年齢は関係ない、って言うけど、やっぱりあるんですよ。もちろん板の上では関係ないんですが、こういった取材の場や稽古場で年齢差に対しての礼儀とか気遣いみたいなものは存在すると思うんです。でも、そういう場でも関係なく、この人がすごいとか、恥ずかしがらずに素直に言葉にできることがすてきなだな、と思いますし、僕もそういう人間でありたいから、そういったことも含めて、陣くんにそう言ってもらえることがうれしいです。
実は、昨年末上演した『明治座の変~麒麟にの・る~』のときに、ほんとうにちょっとだけ……1時間くらい? 一緒にご飯に行ったんですが、陣くんってものすごく優しいんですよ。る・ひまわりさんの年末公演シリーズって結構体力使うから大変なんです。ただ、あのときは陣くんだから一緒に行けたというか。本番中だけど気を遣わずに話ができる、むしろ、したい、って思ったからなんですよね。
蒼木:終演後、楽屋を訪ねてしんたが身体をほぐしたりとかしているところに残っていた僕も僕なんですけど……もし叶うなら感想を伝えたいな……と思って。そうしたら時間を作ってくれたんです。
──二人だけで行かれたんですか?
安西・蒼木:はい。
──どんな話をしたのでしょう。
蒼木:いろんなことです。とにかく話していて愉しいし、俳優としての姿勢だけでなく生き方というか、あらゆることを真摯に受け止められる方なので、知れば知るほど、もっともっと話を聞きたくなる。作品の話も、そこから掘り下げていって思いもよらないところに広がっていくんです。
安西:なんか、あんまり演劇の話をしないんですよね。むしろ人生観というか、普段、なにを考えているかとか、そういう話が多いかも……。
蒼木:それがおもしろいし、うれしくて! かなりプライベートの踏み込んだことから、今、なにについてどう考えているか? とか、そういう話をしてもらえることが「信用してもらっているのかな?」と思えるし、尊敬している役者とそういう時間が過ごせることがものすごく楽しいし、糧になると思うんです。
片方だけおそろいのアボガドの靴下がポイントです!
──そんな二人が、今回、三年ぶりに共演します。
安西:(取材が稽古前のため)浅野内匠頭と柳沢吉保の関係がどう描かれるのか、まだわからないんですが、それぞれに学んできたものがあるだろうし、陣くんがどんなふうになるのか気になってはいます。
蒼木:どう戦えるのか、は、まだわからないんですが、先日の優希との対談でも話していたとおり、る・ひまわりさんの舞台稽古はありのままの自分でいていいと思えて、殻を破れた場所なので、今の自分のまま臨めたらと思っています。
安西:僕自身に関して言えば最初に明治座に立たせていただいてからの気持ちは……多少の誤差はあるかもしれないですが、変わらないですね……。
蒼木:それは座長として、でも?
安西:うん。変わらないな。
──安西さんの揺らがなさを感じたのは、2014年、初明治座出演舞台の『聖☆明治座・るの祭典〜あんまりカブると怒られちゃうよ〜』当時の取材です。「初明治座出演は緊張しますか?」と伺ったときに、泰然と「変わらないです」と答えていました。
安西:あの頃からほとんど変わらないですね。
蒼木:る・ひまわりさんの舞台ってスタッフや共演者の方々もですが、なによりも先輩たちがあったかいんですね。先に出演していた方から「先輩が懐深く迎えてくれるよ」とは聞いていたんですが、本当にあたたかくて。稽古場でも率先して空気を作ってくれるというか迎えてくれる感じがとてもうれしくて、楽しくて、変に気負うことはないんだ……と、出演してから思いました。
──例年、第二部のショーが楽しみです。
安西:毎年、思いますが、去年の「いろは坂48カーブ」しかり、今年の第二部ショー『煮汁プロジェクト』の選抜「NIJIRU」とか、もうなるべくしてなったな……と。今日の衣裳も着替えながら、小物がたくさんあるなあとか、靴下が片方ずつちがってるなあ、とか思いつつ……。
蒼木:そう! アボガド柄の靴下が片方だけおそろいなんです!
安西:あっ、ホントだ!
蒼木:ちょっとうれしい(笑)。
安西:(笑)。
──仲良しです(笑)。安西さんは「俺たち播州、赤穂ローシ学園チーム」として、3.5次元舞台「火消しの王子様」劇中歌『負けることの許されない赤穂~非情の幕府』を披露します。
蒼木:去年、観たときもめちゃくちゃ爆笑でしたから。今年、自分が出られることが楽しみで!
安西:去年、「安土学園レギュラーVS朝廷学園正レギュラー」として『あいつこそが織田ノーマ』を歌った経験を活かし、真摯に全力で役作りに挑むつもりです……(笑)。
蒼木:よく言うわ(笑)。もちろん、僕も真剣に挑みます!!!
──安西さんと蒼木さんはアイドルユニット「元禄ストレイドックス」によるコント&LIVEにも出演です……資料によりますと、表向きは元禄の文化人にして真実の姿は幕府の犬(隠密)。幕府の命で、とある人物の行方を捜している異能集団……とのことです。
蒼木:『忠臣蔵』の役柄的に、果たして僕らがどんなふうになっちゃうの? コント&LIVEって??? とわくわくが止まりません。
安西:僕は、このユニットに(小林)且弥さんが出るのが楽しみすぎて……僕のなかでの且弥さんのイメージは2014年『聖☆明治座・るの祭典』アドベンチャーマン(※下記説明)のイメージなので……(一同爆笑)。
だから、今回、且弥さんがどんな姿を見せてくれるのか……すごい楽しみです。
蒼木:小林且弥さんは初めてご一緒させていただくので、お話を聞くとますます楽しみがふくらみます。昨年、平野良さんとしんたのW主演でお二人の空気感を目の当たりにしたし、今年はさらに小林且弥さんや辻本祐樹さんといった歴代座長がおられるなかに、自分がどんなふうに在れるのか? を知りたくて仕方ありません。
安西:十周年公演に出演できることはやっぱり、うれしいですよね。ただ、平野良さんと且弥さんのW主演とか、コロナ対策であるとか、いつもよりはパワーワードが多くていつもよりは戦う物が多いと思ってもいます。ただ、やること自体は変わらないですし、いつもと同じというか、いつも以上に乗せていかないと、とは思っています。
──今回、配信もありますが、意識されますか?
安西:今、舞台配信をスマホで観る方もおられるし、スマホのサイズにあわせた動画配信もあるなかで「意識しない」と言ったら嘘になりますが、僕らはカメラワークとセッションできるわけではないので、その場にいる方々に向け全力で演じる、ということしかないですね。
蒼木:今って外出するにも勇気といろいろな心がけが必要な時代なので、家にいて、でも、この公演を観たい、と思ってくださる方に向けて、変わらずに演ります。
──最後に互いに一言、お願いします。
安西:同じカンパニーの一員として最後まで手を取り合って進んで行きたいです。
蒼木:ひとりの人間として尊敬している、しんたとの共演がとにかく楽しみです! さらに、いろいろな方と共演できる機会に自分の持つ力を全部出して背伸びせずに……でも、多少、背伸びもしたいです。
※「アドベンチャーマン」は2014年『聖☆明治座・るの祭典』出演ユニット
アドベンチャーマン(小林且弥)ヒーロー。
節子(矢部太郎)女の子 佐久間ドロップの角でたたく。
走塁コーチ(紘毅)腕を回す。判断力に優れる。
神田川(加藤啓) 妙齢の女性。優しさが怖い。石けんをカタカタいわす
ゴリラ(小林健一)動物。ゴリラ語で話す。
https://www.youtube.com/watch?v=6dB-nnTuIAA
安西慎太郎(あんざい・しんたろう)
Twitter 安西慎太郎staff@anzaistaff
蒼木陣(あおき・じん)
公式プロフィール https://www.sunmusic-gp.co.jp/talent/aoki_jin/
SUNPLUS公式ブログ https://lineblog.me/sunplus/
Twitter 蒼木陣(あおきじん)@ORANGEJIN
チャオ!明治座祭10周年記念特別公演『忠臣蔵 討入・る祭』
【構成・演出】 板垣恭一
【脚本】 土城温美
【出演】 平野良(W主演) 小林且弥(W主演)/
安西慎太郎、木ノ本嶺浩、蒼木陣/
前川優希(Wキャスト)・松田岳(Wキャスト)、大薮丘、小早川俊輔、
井深克彦、谷戸亮太、加藤啓、林剛史/
伊藤裕一、百名ヒロキ、大山真志(Wキャスト)・原田優一(Wキャスト)/
辻本祐樹/水夏希
【会場】 明治座
【日程】 2020年12月28日(月)11:00/17:00
12月29日(火)11:00/17:00
12月30日(水)11:00/17:00
12月31日(木)14:00/20:30→11:30/17:30に変更になりました。
※上演時間は3時間30分を予定しております。
※3歳以下入場不可、4歳からチケット必要
【チケット料金】
S1席、S2席:13,000円(31日夜公演のみ:13,500円)
A席:5,800円(税込)
ライブ配信:4,500円(31日夜公演のみ5,500円)
【チケット発売】 12月5日(土)一般発売
<第一部>お芝居『O-ICCEAN’S11~謎のプリンス~』
上演すれば必ず当たる!といわれた不朽の名作「忠臣蔵」を新たな物語として描きます。
主人公は、討入り後に唯一生き残った寺坂吉右衛門と赤穂浪士のリーダー大石内蔵助。
2人の友情、赤穂浪士たちそれぞれの願い、そして彼らを取り巻く様々な思惑を背景に「背負う男たちの物語」を上演します。
“祭”シリーズならではの歴史上の「IFもしも~」も盛沢山にお届けします。
<第二部>ショー『煮汁プロジェクト』
旨味と出汁の利いた世界一の“側用人”グループを作るために行われる、側用人公開オーディションプロジェクト。
既に様々なジャンルで活躍中の一流家臣たちが、世界一の側用人を目指して、自分たちの代表作をお披露目。
【主催】 る・ひまわり 明治座
【お問い合わせ】 明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00~17:00)
【HP】 https://chu-ru.jp/